ドライヤーからテレビ・アイロンなど、今では一般家庭でも数多くの家電製品が存在しています。これらを使用するには必ず電気が必要で、コンセントに電源ケーブルを接続しなくてはいけません。1本程度であれば常時接続したままでも問題はありませんが、商店や医療機関などではいつでも使用できるように、常時コンセントにケーブルを差しっぱなしになされるでしょう。そのまま放置しておくと足を引っ掛けて転倒する可能性があるので、床に這わせたままというのは良いとはいえません。
この問題を解消するために誕生したのが配線ダクトで、今ではあらゆる施設で目にできるようになりました。配線ダクトと一言にいっても多種多様な製品で構成されています。その中でも比較的新しいものが「アップフロント」というもので、国内の大手電機メーカーが2000年に発表しました。このアップフロントの特徴は、天井に専用レーンを備えた配線ダクトという点です。
レールがある場所であれば、自由に家電を移動させることができ、フレキシブルな使用を可能にしています。アップフロントの配線ダクトが向いている施設として一例を挙げると、美容室・クリニックとなります。美容室であれば各席にドライヤーやバリカンを移動させるために、レールの移動がスムーズとなるでしょう。クリニックに至っても心電図や酸素吸入器など、患者が必要とする医療機器を持ってくることになるので、フレキシブルな移動が必須です。