新築マンションの設備一覧を目にすると、各部屋に配線ダクトの設置という文字を目にするようになりました。これは各室内に電源ケーブルを一まとめにできるダクトがあり、家電製品を効率的かつ綺麗に使用できる環境があることを意味します。配線ダクトをご存知の方だと、壁や床に細長いパイプを備えたものをイメージなさるでしょう。これが既存のスタイルなのですが、新築物件であれば床・壁・天井にあらかじめ埋め込んでいる「隠ぺい工法式」という、外側から見えないダクトを採用するのが大半です。
隠ぺい工法式の場合、主電源に接続できるという利点があります。これによりパソコンやテレビなど、壁に備わったコンセントを使用せずとも電源供給が可能で、利便性に長けていると言えるでしょう。さらに、自動消火機能を備えたものを使用すため、漏電から発生する火災も防げるのが特徴です。隠ぺい式配線ダクトに使用される素材は、アルミ合金というものになります。
このアルミ合金が消火機能を有しており、約200度の高温になっても溶けることがなく外部に炎が伝わるという心配もありません。消火機能を具体的に述べると、内部に酸素が行き渡らなくするということです。延焼するには酸素が必要で、ダクト内部に二酸化炭素を充満させておけば必然的に火災は発生しないというわけです。そのため配線ダクトを取り付けたあとは必ず、ダクト内部に二酸化炭素を充填して消火機能を持たせるのが、隠ぺい工法式配線ダクトの特徴です。