ケーブルの塩害について

内陸部や温暖な地域に住んでいる方々は、塩害という言葉をそれほど頻繁に耳にしたことはないと思います。しかし、海沿いの地域や寒冷地では憂慮すべき問題の一つです。東北日本海側、瀬戸内海側、沖縄・離島、その他海岸から500m以内の地域が、特に重塩害地域とされています。海沿いでは海水や塩分を含む風によって、寒冷地では融雪剤に含まれる塩カルによって塩害が発生します。

農作物のみならず、無機物の建築物や構造物にも悪影響を及ぼします。無機物に対する悪影響の代表的な例は、さびと劣化です。もちろん、ケーブルも無機物なので被害を受ける場合があります。では、ケーブルには具体的にどのような塩害が起こり得るのでしょうか。

例えば塩分を含んだ風が吹いている環境で屋外に露出している場合、悪影響を受ける可能性があります。主に電線や配電ケーブルが対象となるでしょう。またラックやプルボックスにも被害が及ぶことがあります。塩分は通電性が高いので、絶縁部に付着すると漏電が起きる可能性もあり、電気の供給が停止してしまうことも考えられるでしょう。

また皮膜へのダメージも大きく、導電体が露出すると非常に危険なので、海沿い地域の電気設備には対策を講じなければなりません。耐塩性の塗装や強い被膜をケーブルに施したり、付着した塩分を定期的に除去する作業が必要です。海沿いの地域だけではなく、潮風が届く離れた地域も対策が必要です。いずれにしてもケーブルが屋外に露出している場合は、塩害に注意を払うようにしてください。

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